先月読んだ本 2010.10
先月読んだ本です。
経営コンサルタントとして活躍する著者の回りの残念な人の残念な例を、具体的なエピソードで紹介しつつ、なぜそうなってしまうのか、そうならないためにはどう考え行動すべきかといったヒントを、著者独特のユーモアを交えた辛口トークで綴られています。「あー、そういう人、いるよねー」と頷いたり、「なるほど、ロジカルに考えるとそう分析できるのかー」と感心したり、「そうか、そういうふうに対処すればいいのか-」と勉強になったり、おもしろく読みつつ、自分が「残念な人」になっていないかを顧みるきっかけになるのではないのでしょか。あらゆるビジネスマンにオススメです。
今最も注目せざるを得ないこの二社に関して、現時点において、真っ先に読むべきなのが本書ということになるのではないでしょうか。なぜなら、両社に関して最も重要なのは、両社の協調と競争ではなく、両社が世界に何をもたらし、そしてこれから何をもたらそうとしているかであります。そして本書ほど、それがコンパクトに収まった本はありません。本書でアップルとグーグルから日本企業は何を学べばいいかについて以下のように書かれています。
アメリカでは、もう何年も前からソフトウェアエンジニアがヒーローになる時代がやってきている。グーグルをつくったラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンも、ウィキペディアをつくったジミー・ウェールズも、ツイッターをつくったジャック・ドーシーやエバン・ウィリアムズも、みんなソフトウェアの人だ。それなのに、日本ではなぜかソフトウェアが軽視される傾向が続いている。そして、ソフトウェア軽視の重役や企業の体質が、日本の家電メーカーを、さらに苦境の極みへと追いやっている。
世の中の価値観はハードからソフトに切り替わっています。
本書で印象に残った著作権についてですが、私たちが今、日本の古典を読むことができるのは、いろいろな人たちが、自ら筆で筆者してくれたからこそです。そして、印税は「創作に対するインセンティブ」として必要だと言うけれども、その恩恵にあずかっているのは、ほとんど最近の作家だけであって、古典の作者は、おそらく彼らの著作でもうけたなどということはほとんどないはずです。本だけではなく、モーツアルトもベートーヴェンも、著作権などというものは知らずに作曲したのです。それでも彼らは素晴らしい作品を作っています。ビーチボーイズのウィルソン兄弟のマネージャーだった父親は、全楽曲を管理している音楽出版社を70万ドルでよそに売却しています。そのことについてブライアン・ウィルソンは自叙伝に「70万ドル?曲をただで渡すようなものだ。僕にとっては、それは金で買える類のものではなかった。それは僕の赤ん坊だった。僕の肉体だった。魂だった。そしていま、それはもう僕のものではなかった。」と書かれています。この事件でブライアン・ウィルソンの精神は破壊されて、その後長い停滞期を余儀なくされました。ビジネスがかかわったせいで自由が奪われ、インスピレーションが枯渇し、ファンが作品を享受する機会が失われるのなら、ビジネスは創作にかかわるべきではないのではないでしょうか。本当に、「著作権」というのは不思議な権利ですね。それは、ルールであるが故に、みんなで別な風に変えることができるのは当然ですが、その前に、「著作権」は「私権」であるがゆえに、「著作権者」が自分でどのようにも処理できることもまた、事実であります。
ガイナックスを設立し、最近ではダイエットで有名になってしまった岡田斗司夫氏と書評ブログの代表選手であるプログラマー小飼弾氏の対談本です。コンテンツの価値について、小飼さんは、「本来コト=コンテンツはいくら消費しても減らない。それを紙に置き換え得るものにしてしまった。いわば詐欺みたいなもの」と述べられています。コンピュータやネットをはじめとするデジタル技術によって、コンテンツは簡単にコピーできるようになりました。コンテンツが無限に増殖すると、価格はゼロになります。コンテンツはカネを払うものではないということが、みんなにばれてしまったんですね。これからはコンテンツ自体を作って食べていくのはどんどん難しくなっていくのではないかと思います。コンテンツにリアルに存在するモノをつけないとコンテンツ自体が売れない時代になるのかもしれません。
- 作者: 勝間和代,堀江貴文,西村博之
- 出版社/メーカー: 青志社
- 発売日: 2010/09/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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3人による対談集です。本書はもともと「デキビジ」で勝間さんとひろゆきが衝突したのをきっかけに、さまざまな場所で「炎上」した経緯を踏まえ、ホリエモンが両者を介して「リ・マッチ」させようとしたのがきっかけで成立したようです。雑談が1500円はボッタクリのような気がしますが。笑
日本ではあまりぱっとしないfacebookですが、最近は日本でも普及し始めています。来年の1月には映画も公開されるので日本でも今後さらに普及するのではないでしょうか。こちらの小説は、創業者のマーク自身が書いたのではなくて、著者が友人たち(マークのことを良く思っていない人たち)のインタビューを通じて面白おかしく小説風に仕上げてあります。なので、100%真実ではありません。